この記事の概要
日本人は渡来ユダヤ人との混血によってできているとも言われています。そのため日本人には、民族的使命が与えられ、特殊な日ユ同祖論があるのです。日本は今日まで連綿と続いてきたのは神の摂理で、日本人は神の選民であり、ユダヤ人を支援しユダヤ人国家樹立を成し遂げるべき民族的使命が与えられていると考えられています。
日ユ同祖論の根拠
日ユ同祖論の直接的な証拠はありませんが、証拠集めて類推していくことはできます。例えば太秦という地名が「イシュ・マシャ」から出ていると主張したのが佐伯好郎氏でした。
ミカドという日本の言葉には、御ガド族のガドと御という言葉がついて御カドになったことを小矢部全一郎氏が主張した内容でした。これらが、日ユ同祖論の根拠となっています。
それ以外には、川守田英二氏の日ユ道祖論に関する著書があります。この方は、サンフランシスコ教会の牧師で、詩篇の研究家です。彼が1956年に「日本ヘブル詩歌の研究」の本を著しました。
その本の中では、伊勢音頭にある囃し言葉には、「これやーとこせーよいやな」がありますが、これは出エジプト記15章に出てくる「ミリアムの歌」という説を唱えています。
ミリアムは、モーセのお姉さんです。紅海を渡った後に、踊り歌ったという記録があります。それは、ミリアムの歌だと述べています。
また、語呂合わせの例をいくつか挙げています。代表的なもので、虎の巻はトーラから来ていると思われています。言葉が似ているのです。しかしながら、虎の巻は、中国の古典における兵法の本です。トーラから来ているのではありません。
「日本書紀と聖書が似ている」と述べたのは、ヨセフ・アイデルバーグです。彼はイスラエル人だと思います。彼は、505の語呂合わせをあげています。
日本書紀と聖書が似ているあるいは神道とユダヤ教が似ている点があります。神社とエルサレムの神殿の姿が似ていることはよく言われています。
菊の御紋とへロデ門の紋章が似ています。エルサレムにはヘロデ門があり、今はライオンと言われています。そこに菊の紋章が入っています。日本の歴史見ると菊の御紋は、鎌倉時代から始まったと言われていますので時代的に合いません。
伊勢神宮の参道の灯篭にダビデの星が刻まれています。この説も日ユ同祖論の証拠の一つとして挙げられています。しかし、灯篭は戦後に寄贈されたものです。
元々ダビデの三角形を二つ重なったデザインであり日本ではカゴメ紋と呼ばれています。それは、元々あったもので、灯篭は戦後、寄贈されたものですから、日ユ同祖論の証拠にはなりません。
八咫鏡の裏には、ヘブライ文字が刻印されていると言われています。しかしながら、見た人はいないのです。お神輿と契約の箱は肩に担いで運ぶところが似ていると言われています。契約の箱の中には大事なものが入っていましたが、これも似てはいますが、証拠にはなりません。
これは神道とユダヤ教が似ているという言い方ですが、さらに修験道とユダヤ教の類似点を挙げる人もいます。山伏が頭に頭襟(ときん)をつけています。ユダヤ教でも額と腕に教札を付けます。
腕に巻き付けるのをテフィリン(一つは左上腕に、もう一つは額に巻きつけて朝禱を捧げる)と言います。山伏の頭襟とユダヤ教のテフィリンがそっくりだと言います。
ユダヤ教のテフィリンの中には、トーラの小さな巻物があります。それを中に入れたのです。山伏の頭襟にはそれがありません。これも類似点として挙げても興味深いことですが、直接の証拠には結びつきません。
日ユ同祖論の状況証拠をいくら集めても、それらは主観的類推によって結論まで強引に導いていくという事実なのです。
予言的な日ユ同祖論
特殊な日ユ同祖論があります。それが予言的要素を含む日ユ同祖論です。これはホーリネス・リバイバルの中心人物である田中重治氏が提唱した日ユ同祖論です。
その特殊性とは、彼の日ユ同祖論は聖書を根拠とした預言的な要素を含んでる点です。その様な意味において、日ユ同祖論が特殊なのです。さらに彼は親イスラエル、親ユダヤの日ユ同祖論を展開しています。
1932年「聖書より見たる日本」という講演会開き、翌年それが書籍として発刊されました。それによりますと、「聖書より見たる日本」という講演会の内容ですが教職は、牧師たちは個人連動や教会形成をすることよりもキリストの再臨とユダヤ民族の回復のための祈りが優先事項であると述べています。それは、伝道や教会形成よりは、ユダヤ人の回復とメシアの再臨が大事だったのです。
日本には太古に、ユダヤ人が渡来し彼らと原住民との混血によって今日の日本人が生まれました。これはユダヤ人渡来説です。
キリスト統治の千年王国の雛形として、日本は今日まで連綿と続いてきたのは神の摂理で、日本人は神の選民なのです。日本人は、ユダヤ人を支援しユダヤ人国家樹立を成し遂げるべき民族的使命が与えられています。
この様にして、日本人の使命を預言解釈と結びつけて論じたのです。このホーリネス・リバイバルあるいはホーリネス派の人たちの中には、イスラエル建国前からユダヤ人国家樹立のために祈っていた人たちがたくさんいます。
中田重治氏が述べている内容には、日本人は渡来ユダヤ人と従来日本にいた人との混血によってできてる日本人には、民族的使命が与えられ、別な形の特殊な日ユ同祖論があるのです。
これが事実かどうかは、分子人類学から見て深掘りしていく必要がある様です。
参考文献:ユーチューブ;日本人のルーツはユダヤ人か(3) 分子人類学から見た日ユ同祖論 2021.12.28
URL<https://www.youtube.com/watch?v=R-J5l0Pttvg&t=952s>アクセス日:2022年8月17日
まとめ
日本人は渡来ユダヤ人と従来日本にいた人との混血によってできてると言われる見方があるが、主観的要素が強いため客観的に遺伝子的にはどうなのかを深掘りする必要がある。
紹介欄