京都に残るユダヤ人の痕跡は祇園祭の毛綴にある

京都に残るユダヤ人の痕跡は祇園祭の毛綴にある

  • 2026年1月8日
  • 2026年1月7日
  • 歴史

この記事の概要

京都に残るユダヤ人の痕跡は祇園祭の毛綴にあるのです。それは旧約聖書の説話「イサクに水を供するリベカ」を題材としたものです。キリスト教で言うところの「旧約聖書」とはユダヤ人は「タナフ」と呼んでいます。秦氏と呼ばれるユダヤ人が日本に渡来したことは有名ですがそのユダヤ人とはどのような人々なのでしょうか。


京都に残るユダヤ人の痕跡

京都には多くのユダヤの痕跡があります。京都の祇園祭の山車のタペストリーには、ユダヤ経典「トーラーの巻」の一節、イサクに水を供するリベカの絵が描かれています。それはベルギー製で1718年に寄贈されたものと言われています。

祇園祭の函谷鉾(かんこほこで使われている、旧約聖書の説話「イサクに水を供するリベカ」を題材としたタペストリー(毛綴:けつづれ)は、ベルギー(当時は南ネーデルラントのブラバン・ブリュッセル)で製作されたものです
ただし、これは現代になってベルギーから寄贈されたものではなく、16世紀後半から17世紀初頭にかけて製作され、江戸時代に日本へ渡来し、函谷鉾町(または別の山鉾町)が購入したと考えられています。長崎などを経由して日本にもたらされた後、文化文政期(1800年代初頭)に函谷鉾の懸装品として使われるようになりました。
現在、山鉾巡行の際に飾られているのは、この貴重なオリジナルを元に復元新調されたものが主ですが、宵山(よいやま)の期間中には「本物」が展示されることもあります。このタペストリーは国の重要文化財に指定されています。 

ユダヤ人とは

「ユダヤ人」とはどのような人々でしょうか。3000年以前に書かれた経典「タナフ」にはイスラエル人が登場します。

「タナフ」はユダヤ教の聖典であり、キリスト教でいうところの『旧約聖書』に相当します。これは古代イスラエル人(ユダヤ人)の宗教的・歴史的基盤をなす重要な経典群です。

タナフ(Tanakh)とは

「タナフ」という名称は、ヘブライ語聖書を構成する以下の3つのセクションの頭文字(T-N-K)を組み合わせた頭字語です。
  • トーラー (Torah): 「律法」または「教え」を意味し、モーセ五書(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記)を指します。
  • ネビイーム (Nevi’im): 「預言者たち」を意味し、ヨシュア記からマラキ書までの歴史書や預言書が含まれます。
  • ケトゥビーム (Ketuvim): 「諸書」を意味し、詩篇、箴言、ヨブ記、雅歌、哀歌、伝道の書、エステル記、ダニエル書、エズラ記、ネヘミヤ記、歴代誌が含まれます。

成立時期について

タナフの文書は、紀元前13世紀ごろのモーセの時代に起源を持つとされるトーラーから、紀元前2世紀ごろに成立したとされる諸書まで、長い期間をかけて編纂されました。
「3000年以上前」というと紀元前1000年頃以降に当たりますが、この頃はダビデ王の時代と重なります。文書の起源や最古の記述の一部はこの時代、あるいはそれより古い時代に遡る可能性はありますが、現在の形に編纂され正典として確立したのは、紀元前数世紀を経てからのことです。

イスラエル人との関係

タナフは、古代イスラエルの民の歴史、信仰、律法を記録しており、彼らのアイデンティティの中核を成しています。彼らはアブラハムを祖とし、モーセによって導かれたヘブライ人(古代イスラエル人)であり、現代のユダヤ人の祖先です。
タナフは、彼らにとっての唯一の正典であり、行動を律する法でもあります。現代のイスラエル国民(イスラエル国籍を持つ人々)にはユダヤ人以外のアラブ人なども含まれますが、ユダヤ教徒であるイスラエル人にとっては、今もこのタナフが信仰の基盤となっています。 

イスラエルの12部族とは

「ユダヤ人」の祖国「古代イスラエル王国」は、紀元前1000年ごろ実在し、「12部族で構成されていました。」
イスラエルの12部族とは、ヤコブ(イスラエル)の12人の息子を祖とする、古代イスラエルを構成した12の血縁集団(氏族)のことです
ルベン、シメオン、ユダ、イッサカル、ゼブルン、ガド、アシェル、ナフタリ、ダン、ベニヤミン、マナセ、エフライム(ヨセフの息子たち)が主要な部族で、レビ族は祭司職のため土地の相続から外れ、代わりにマナセ族とエフライム族が加わり、実質的に12部族と数えられます。
12部族の内訳(一般的に数えられるもの)
  1. ルベン族(Reuben)母:レア、水(「水のように流れる」力強さ):長子だが、父の寝床を汚したため、特別な地位を失う。
  2. シメオン族(Simeon)母:レア、剣(「兄弟の争い」の象徴):レビ族と共に過激な行動をとるが、部族としては衰退し、固有の領地が少なかったとされる。
  3. ユダ族(Judah)母:レア、シンボル:ライオン(力強さと王権の象徴):ダビデ王の家系につながり、後のイスラエル王国の中心となり、最も重要な部族の一つ。
  4. イッサカル族(Issachar)母:レア、 野ロバ(「荷物を負うロバ」のように勤勉): 豊かな土地を得たが、労働を好み、他部族に仕える傾向があったとされる。
  5. ゼブルン族(Zebulun)母、船(「海辺に住む」交易者):レア: 海に近い土地を得て、商業や航海に携わったとされる。
  6. ダン族(Dan)母:ビルハ (ラケルの女奴隷)、蛇/鷲(「道で噛みつく蛇」のように敵を倒す): 領土争いの末、北部に移動し、後に異教崇拝の地としても言及される。
  7. ナフタリ族(Naphtali)母:ビルハ (ラケルの女奴隷)、 雌鹿(「自由な鹿」のように駆け巡る): ガリラヤ地方に住み、豊かな自然に恵まれた。
  8. ガド族(Gad)母:ジルパ (レアの女奴隷)、軍隊/砦(「敵を破る」戦士の象徴): ヨルダン川東岸の肥沃な土地を得て、牧畜に適していた。
  9. アシェル族(Asher)母:ジルパ (レアの女奴隷)、豊かな食事/オリーブ(「豊かな恵み」): 肥沃な海岸地帯を得て、豊かな収穫を享受した。
  10. エフライム族(Ephraim)母:ラケル、雄牛(または野牛/ユニコーン)であるとされ、その特徴は指導的立場と広大な影響力:ヨセフの次男。北王国イスラエルで最も有力な部族となり、マナセ族と共に中心的な役割を果たす。
  11. マナセ族(Manasseh)母:ラケル、野牛(または一角獣/ユニコーン)「泉のほとりの実のなる枝」と祝福されたことに基づき、豊穣を象徴:ヨセフの長男。エフライム族と共に北部に定住し、有力な部族となった。
  12. ベニヤミン族(Benjamin)母:ラケル、狼(「獲物を分捕る狼」):エルサレムの地に近い、小規模だが勇敢な部族。
その他
  • レビ族(Levi): 祭司職を担い、特定の土地を持たず、イスラエル全土に散らばって奉仕した。
  • ヨセフ族(Joseph): エフライム族とマナセ族の総称で、ヤコブの後継者としての地位が強い。 
これらの特徴は聖書の記述に基づき、部族の性格や歴史的役割を示していますが、時代とともに変化し、現代のユダヤ人社会では部族意識は薄れています。 
特徴
  • 共通の祖先: 共通の祖であるヤコブ(神から「イスラエル」のあだ名を与えられたため、その子孫はイスラエル人と呼ばれる)の子孫。
  • 部族の構成: 12部族は、それぞれが土地を領有し、独自のアイデンティティを持っていましたが、男性が別の部族の女性と結婚した場合、息子は父の部族を継承するなど、婚姻による部族の移動もありました。
  • 聖書での重要性: 旧約聖書において、イスラエル民族の歴史や、カナン(約束の地)への入植、王国の発展、そして後に南北に分裂する過程で重要な役割を果たしました。
  • 「失われた10支族」: 北イスラエル王国がアッシリアに滅ぼされた後、一部の部族(10支族)が離散し、その行方が不明になった「失われた10支族」の概念も存在します。 
これら12部族は、古代イスラエルという国家を形成する根幹であり、ユダヤ民族のアイデンティティの基礎となっています。 

参考文献:ユーチューブ、歴史考察 #078 『京都のユダヤ』

URL<https://www.youtube.com/watch?v=ZwG4rkRbR3A>アクセス日:2025年12月31日

まとめ

京都の祇園祭の山車のタペストリーには、ユダヤ経典「トーラーの巻」の一節、イサクに水を供するリベカの絵が描かれているが、それがベルギー製で1718年に寄贈されたものとは違っていた。16世紀後半から17世紀初頭にかけて製作され、江戸時代に日本へ渡来し、函谷鉾町(または別の山鉾町)が購入したと考えられている。

タナフは、彼らにとっての唯一の正典であり、行動を律する法でもあります。現代のイスラエル国民(イスラエル国籍を持つ人々)にはユダヤ人以外のアラブ人なども含まれますが、ユダヤ教徒であるイスラエル人にとっては、今もこのタナフが信仰の基盤となっている。 


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