集団免疫を獲得するスウェーデン

集団免疫を獲得するスウェーデン

  • 2020年5月28日
  • 2020年7月19日
  • 社会

この記事の概要

スウェーデン では、ロックダウン をしないで、自主性を尊重し、活動してきました。早ければ5月中に、集団免疫を獲得する可能性が出てきたというニュースでした。


日本は桁違いに死者数が少ない

日本は、コロナウイルスによる死亡者が大変少ないことで注目を集めています。その理由として、最近分かってきたのは、実は既に集団免疫が確立されていたと言うことなのです。
それは、2003年にサーズが中国で流行しました。サーズもコロナウイルスの一種であり、肺炎を発症させる病気です。そのサーズの薄まったものが、東アジアに広まり、日本人の多くが風邪の症状を発症し、集団免疫が確立されたと考えられています。それが理由で、死者数が、先進諸国G7の中では、最も少なかったと考えられます。
少なかった原因として、日本を含む東アジア人には新型コロナウイルスに対する免疫を持つのではないかとの仮説があります。それはSARS以降、様々なコロナウイルス が東アジアに流行していた可能性があるというのです。その流行のおかげで、免疫を得た可能性があると考えられています。
また、一般には、受け入れられていないようですが、日本型BCGを接種しなかったヨーロッパ諸国や北米では、死者数が多かったことに対して、日本型BCGを接種した国では、肺炎予防には、効果があったと考えられています。
集団免疫とは、どのように行われるのでしょうか。その対応を行なったスウェーデンを見てみます。
新型コロナウイルス対策でスウェーデンが他のヨーロッパ諸国と違う方法をとってきました。それは、集団免疫です。一時失敗とも受けとられた方法でした。
スウェーデンは、自主性を尊重して集団免疫を目指してきました。感染拡大が広がる中、変化の兆しが出てきたようです。集団免疫で、新型コロナウイルスの拡散を止められる可能性が出てきたのです。

報道の詳細

新型コロナウイルスの感染が、深刻化し多くの国がロックダウン状態にある欧州で、封鎖をしない北欧スウェーデン独自路線が注目を浴びています。
ソフト対策の背景には、強制より個人の自主性を尊重する伝統が根強い他に、医療制度が充実し、医療崩壊の懸念が少ないことなどがあります。
さらに大勢の人々が自然感染して、免疫を持つことにより、ウイルスを抑制する集団免疫の形成も念頭にあるとされます。
スウェーデンの新型コロナウイルス対策をめぐっては、経済的打撃が少ないとして期待が寄せられています。その一方で、高い致死率などの感染拡大のリスクに懸念も出ています。
実際に、スウェーデンでは4月23日時点で、感染者が約1万6千人であるのに対し、死者は2000人近くにのぼります。厳格な外出規制を実施している隣国フィンランドやデンマークなどと比べ、高い致死率で封鎖しないことによるリスクが増えることに対する懸念が強くあります。
一方で、集団免疫に成功の兆しも表れているスウェーデン保健当局の疫学者アンダース・テグネル博士は、最近地元メディアに首都人口の多くが、免疫を獲得し、感染抑止に効力を発揮し始めたと語っています。
当局のデータによりますと、ストックホルムで、1週間に検査を受けた人の中に、陽性だった人の割合は、14%でした。その前の週では35%だったので、大幅に減少したのでした。
テグネル博士は、数理モデルでは、5月中の集団免疫達成を示していると解説したとのことです。

政府対応

スウェーデンでは、ロックダウン をしないで、自主性を尊重し、活動してきました。早ければ5月中に、集団免疫を獲得する可能性が出てきたというニュースでした。
他の国が怖くてロックダウンから抜け出せない状況です。イギリスも集団免疫を目指していたましたが、感染者と死者の拡大に我慢できず、ロックダウンに踏み切りました。それだけ、集団免疫を行うには、リーダーの勇気が試されます。
現実的には、ワクチンが広まるまでは、集団免疫しかありません。
5月中に、集団免疫が実現すれば、世界的なモデルになることは間違いありません。実際にスウェーデン政府が行った法的拘束力があって禁止されているのは、下記の4つの内容だけです。
  • 50人を超えるイベント等の禁止
  • 飲食店やバー、学校、給食、ホールなどでの混雑禁止
  • EU合意に基づく一時的な渡航制限
  • 高齢者施設への訪問禁止
飲食店やバー、学校、給食、ホールの混雑禁止となってるだけで、使ってはいけないわけではありません。小中学校も開放しており、飲食店やジムは、通常通りの営業を続けています。首都ストックホルムのカフェやレストラン、バーは、今も食事や会話を楽しむ人々で賑わいを見せているとのことです。
小中学校は、開校していますが、高校はオンラインの授業を行っています。理由は、小中学校を休校にすると、祖父母に預ける可能性があり、祖父母が感染した場合は、重症になる可能性があるためです。高齢者を守ることにより、医療崩壊を抑えるための合理的な方法とも言えます。
公衆衛生庁から出ている勧告は、6点です。
  • 鼻水や咳、熱など、軽度でも症状がある人は家にとどまる。
  • 70歳以上の人、持病がある「リスクグループ」の人は、可能な限り人との接触を制限し、家にとどまる。
  • 薬局や、食料品店などでの買い物、人混みを避ける。
  • 公共交通機関の利用を避ける。公共交通機関で、人との距離をとる。屋内外で人との距離をとる。
  • パーティーや葬式、結婚式などの大きな集まりに参加しない。
  • 不要不急の旅行を避ける。
他の欧米諸国が、禁止にし、罰金まであることに比べると緩いですが、この対応を支えるために、保障の観点では、素早い対応を取っていました。
対応
  • 「病欠」補償と企業負担分の肩代わり(約90億クローナ=約990億円)
  • 文化・スポーツ界助成金(10億クローナ=110億円)
  • 店舗や飲食店、ホテル等に賃貸料一部援助(50億クローナ=約550億円)
  • 短期就業手当(195億クローナ=約2145億円)
  • 社会保険料の一時的な大幅削減(330億クローナ=約3630億円)
  • 失業保険料の一時的な大幅削減(330億クローナ=約3630億円)
  • 失業保険拡充(約53億クローナ=約586億円)
スウェーデン政府は、5月末まで病欠した場合に、被雇用者は、1日分700クローナ(約7,700円)個人事業主は、1日あたり、804クローナ(約9千円)を保険庁に請求できるようになっています。
他にも、雇用主の負担を減らすため、通常は雇用主が支払う病気欠勤中の給与を国が2カ月間肩代わりをすることを決定しています。一定期間は、医師証明書の提出を不要とするなど事務の簡略化もされています。
50人を超えるイベント等の禁止に対して、文化スポーツ課へ助成10億クローナ(約110億円)の支給を発表しました。外食ホテル観光産業に対しては、賃貸料の一部を援助し、企業が従業員を解雇せずに、就業時間短縮で対応した場合、給与等の4分の3を国が負担するなどの対策をしています。
社会保険料の一時的な大幅削減、失業保険拡充なども検討されています。この政策が提案され始めたのは、3月11日です。スウェーデンで感染者が増え始めたのは2月末だったので、僅か2週間で多くのことが決定されたのです。
社会保障や医療制度が充実している国です。このようなことは当たり前のことで、スウェーデン人は、もっと重要なことがあると考えているようです。

信頼と責任

スウェーデンの新型コロナウイルス対策を語る上で鍵になる言葉が、「信頼と責任」です。スウェーデンの政府は、信頼を獲得するために、素早い政策立案に加え、スウェーデン公衆衛生庁を中心に、情報発信を頻繁に行っています。
平日は、毎日記者会見があり、説明後に質問に答える時間が設けられています。また、オンラインで参加する記者にも返答しています。
その様子は、公共放送 SVT やそのサイト公衆衛生庁の Youtube チャンネルで見ることもできます。関係当局や政府関係者は、ニュース番組にも連日登場し、鋭い質問を突きつけられながら説明を続けています。
できるだけ質問に答えることによって、透明性を図り、信頼を集めているのです。スウェーデンのロベーン首相は、「私たちは大人なのだから、大人にふさわしい行動をとる必要がある。パニックや噂を広めてはいけない。この危機において一人ぼっちの人は誰もいない。しかし一人一人に大きな責任がある」と国民に向けて演説しました。
実際に、ロベーン首相の演説に対して、スウェーデン人の大半が「その内容を支持した」とのことです。
スウェーデンの公衆衛生庁長官も、「なぜ勧告なのか、なぜ禁止にしないのか」とジャーナリストに聞かれた時、対策について語る時には、「市民が責任を持って行動するという信頼に基づくことが重要」と答えています
「法律で縛って罰金を設けて禁止するのではなく、政府を信頼して国民は責任を持って行動する」これが、新型コロナウイルスに、いち早く打ち勝つモデルになればいいと思います。
しかしながら、そううまくはいかなかったようにも見受けます。
東アジアとヨーロッパの決定的違いは、2003年以降からサーズに対する免疫が東アジアの人々にはあったのです。ところがヨーロッパ諸国アメリカにはそれがありませんでした。

参考文献:ユーチューブ:心の世界の気になるニュース、スウェーデンで変化の兆し!?世界初の集団免疫成功へ

URL<https://www.youtube.com/watch?v=I0gOirC78pM>アクセス日:2020年5月28日


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