明治維新の弊害は格差社会を生んだこと

明治維新の弊害は格差社会を生んだこと

  • 2024年8月22日
  • 2024年8月9日
  • 歴史

この記事の概要

明治維新の弊害は格差社会を生んだことなのです。日本の急激な発展の裏では格差が広がり、その日暮らししの貧困層が多数存在し、スラム街が広がっている地域もあったのです。貧乏人になるのは、「個人の努力が足りないからだ」と言う西洋の合理主義的な価値観が広がっていました。江戸時代には、村全体で納税を行うという制度がありました。そのため経済的弱者であっても、守られていたのです。


明治維新の弊害

青少年の成長期には、関節痛が生じます。それと同じように、明治維新には、歴史に類を見ない大改革が行われた結果、副作用として負の部分すなわち闇の社会が生じました。
この闇の社会を放置したままでは、日本はいずれ崩壊することを当時の知識人たちは、懸念していました。ところが、戦後、GHQの洗脳によって日本人は戦前の記憶を全て消されしまったのです。
明治維新を賞賛する教育がされました。明治維新の闇の社会は、当時の知識人たちの警鐘も甲斐なく敗戦によって忘れ去られることとなったのです。司馬遼太郎の本や明治維新を成し遂げた偉人が、大河ドラマなどでヒーローとして描かれていくことになりました。
戦後の政治家たちは、輸出によって高度経済成長を果たしました。そういった日の当たる部分が目立ち、明治維新の弊害については、取り扱わなくなっていったのです。
鎖国をしていた江戸時代は酷く、開国をした明治のような革命は素晴らしいという幻想に取りつかれるようになってしまいました。この「開国は素晴らしいと」いう幻想が、日本の失われた30年の原因でした。
なぜ戦後の日本人が明治維新の負の社会を忘れ、明治時代は素晴らしいという幻想に取り憑かれているのでしょうか。そのことが現代の日本を没落させているのです。

明治維新の闇の部分

日本人が忘れた明治維新の闇の社会とは何なのでしょうか。夏目漱石の小説、三四郎が日露戦争後の日本は「滅びるね」と書きつけた理由を解き明かすことで明らかになってきます。
夏目漱石が「滅びるね」と書きつけた理由を知るためには、日露戦争が起きる前の日本では明治維新の弊害が至るところに生じていました。明治維新の弊害とは、国の形を整え「富国強兵」、「殖産興業」、「文明開花」 を旗印に、西洋文明を取り入れ、欧米に追いつこうと努力をしました。
それがあまりにも急速に社会を近代化させていったため、明治は日本がまさに「坂の上の雲」を見上げながら駆け上がった時代だったのです。
明治政府が「立身出世」を掲げたことにより、多くの若者たちは、「今までは生まれた土地に縛られなければならなかったが、努力して働き、節約して貯蓄すれば、必ず経済的に成功を収めることができる」また「学歴を積めばお金が得られる」と言った考えが広まり始めました。
特に地方農家の次男、三男は職を求めて西洋風の巨大な建物が立ち並ぶ東京へと向かいました。ところが、東京に着いた彼らの夢は単なる幻想だったのです。まさに、その現実を突きつけられました。

広がる格差社会

1899年に出版された横山源之助の「日本の下層社会」という本には当時の東京では、日本の急激な発展の裏では格差が広がり、その日暮らししの貧困層が多数存在し、スラム街が広がっている地域もあったと書かれています。
さらに貧困層の中には人々の糞尿を拾い集めて生計を立てる「クズ拾い」という仕事をせざるを得ない人がいたという記述まであります。それだけ急成長したにも関わらず、なぜ格差があまりにも広がり過ぎた社会状況になっているのでしょうか。
その理由は、明治政府は、「富国強兵」を掲げ、最優先にしたのが工場や事務所、軍事施設作りだったからです。また明治時代では、貧乏人になるのは、「個人の努力が足りないからだ」と言う西洋の合理主義的な価値観が普及しつつありました。
例えば江戸時代には、村全体で納税を行うという制度がありました。そのため経済的弱者であっても、ある程度は守られていたのです。ところが、明治に入ってからは、弱者を救済するような制度は撤廃されてしまいました。
例えるならば、貧乏人は、救急車も消防者も呼ぶことができず、病院にも行けない現代のアメリカのように、明治時代は変わってしまったのです。
この合理主義的価値観によって、エリートと庶民の間の格差がさらに拡大することになってしまいました。明治時代は、一部富裕層やエリート層を除き、大衆の貧困と民衆同士の競争社会という厳しい時代でした。

URL<https://www.youtube.com/watch?v=xl11dXVNlQs>アクセス日:2024年6月26日

まとめ

明治維新は急激な大改革が行われた結果、副作用として負の部分すなわち闇の社会が生じた。

明治政府が「立身出世」を掲げたことにより、努力して働き、約して貯蓄すれば、必ず経済的に成功を収めることがで、学歴を積めばお金が得られる考えが広まり始めた。

貧乏人になるのは、「個人の努力が足りないからだ」と言う西洋の合理主義的な価値観が普及しつ、経済的弱者が切り捨てられた。


紹介欄

日本の下層社会 (岩波文庫 青 109-1)

三四郎 (新潮文庫) 文庫

新装版】明治維新という名の洗脳

 

明治維新の弊害は格差社会を生んだこと
最新情報をチェックしよう!
>聖典をかける少女

聖典をかける少女

地球は乗っ取られている。それも、私たちが、神だと信じている存在によって。「聖典をかける少女」によりますと、創世記がどのように、誰によって書かれたか説明されています。「プレアデス+かく語りき」がモチーフになっているようですが、地球は、30万年前に聖書に登場する創造神たちによって乗っ取られていることが理解できます。

CTR IMG