サバクトビバッタがアジアに大襲来

サバクトビバッタがアジアに大襲来

この記事の概要

サバクトビバッタがアジアに大襲来しています。砂漠飛びバッタ以外にも、中国の穀倉地帯でイナゴの大量発生が確認されています。国にとってただ事ではありません。戦略的に食料基地としてアフリカを捉え中長期的に多額の投資も行ってきました。バッタはこうしたところを食い荒らしています。世界中で今中国コロナ責任論が、盛り上がっていますが、中国の食糧サプライチェーンを破壊する可能性も否めません。


砂漠飛びバッタがアジアに

東アフリカアラビア半島周辺で発生しているサバクトビバッタが、ついにアジアに到達しました。パキスタンに国境を接したラジャスタン州の様子では、「こんなの今まで見たことない。何百万、何兆のバッタの大群は初めてだ!パキスタンから来た!」と叫んでいます。
この辺りのグジャラート、ラジャスタンの国境周辺の各州で、砂漠飛びバッタが観測をされています。インド北部の町アラハバートにも到達したということです。アラハバートからネパールまで僅か200kmです。1日150から200km 飛ぶと言われています。今まで移動してきた距離を考えると、中国に到達するのも時間の問題に思えます。
ただ、このサバクトビバッタの飛行能力は、富士山ぐらいの高さを飛ぶと専門家の方は述べています。しかしながら、ヒマラヤ山脈を超えることができるかというと、これは難しいのではないでしょうか。インド経由で、ミャンマー、雲南省へのコースは熱帯ジャングル経由になるので現実的かどうかこのあたりは、分かりません。
すでに隣のパキスタンでは、被害総額5500億円です。一帯一路でつながりを持っている中国が、地政学的な理由を含めてこのバッタ対策にも力を注いでいます。

砂漠飛びバッタが世界的食糧危機

サバクトビバッタで世界的な食料危機が起きるのでしょうか。国連食糧農業機関( FAO)によりますと、事態の沈静化には時間がかかるとし、東アフリカの国々で2500万人以上、イエメンでは、1700万人が食料不足に陥るとの予測が出されています。
これは、前例のない脅威だということを一貫して強調しています。国土が狭い日本では、最近では、蝗害が見られません。しかしながら、この蝗害による食糧危機は、歴史的に数多く起こっています。
旧約聖書の出エジプト記出やコーランにも、「農作物が食い荒らされた深刻な飢饉が起こった」という様子が記述されています。
現時点では、世界の穀物生産は、8年連続の豊作です。穀物の主要生産地であるアメリカ、ロシア、ウクライナ等ではバッタによる被害が全く出ていません。
この食糧危機は、食糧がなくなるという危機もありますが、もう一つ経済的に食料を確保できない、買えなくなってしまう食糧危機があるのです。

極めて不安定なのが穀物

このバッタによる被害は、世界に波及しない点も確かにありますが、極めて不安定なのが穀物という資源です。食料は穀物という意味での食料と食べ物全体という食糧危機と使い分けることもあります。
特にこの穀物の食料は、国際市場において、商品として捉えられて、非常に不安定なところがあるのです。それらは、大豆、小麦とうもろこしなどです。穀物は人間が生きていく上で非常に基礎的な食糧です。穀物=カロリーになりますので、お腹にたまる食べ物です。この食料は国内での消費や備蓄が、最優先される特性があります。
どの国でも国内で備蓄し余った穀物を輸出しているのです。逆に、途上国の場合は、自分で食べる分よりも先に、輸出をして現金を稼いでる側面もあります。
こうした穀物市場の特徴から「薄いマーケット:Thin Market」表現されます。国際市場に出回る穀物の量は、生産量の僅か約7分の1しかないというのが現状です。こうして市場に出回る量自体が少ないうえに、投機マネーの対象になるのです。
穀物は、特定の事情に敏感に左右されるところがあります。わずかな変化要因に左右されて価格が急に乱高下するという危うさを常に抱えています。これが、穀物市場の特性です。これに加えて穀物は、商品の不安定性というのが世界の大変動の要因になるのです。

アラブの春

実例の一つが2011年のアラブの春です。2011年北アフリカから起こった民主化運動です。実は、前年の2010年に発生したエルニーニョの影響でロシアやウクライナの周辺で干ばつが発生しました。このため、小麦の輸出国の世界第1のロシア、世界第5位のウクライナが、小麦の輸出制限を発表しました。
ロシアとウクライナの2つの国が、世界に出回る小麦の約3割を占めていました。さらに、世界4位のカナダも合意し、小麦の輸出が減少しました。買いが第2の輸出国であるアメリカに、世界が殺到しました。
北アフリカや中東諸国では小麦を使用する主食のピタパンの価格が急に高騰したことで食べられない状態になりました。庶民の不満が爆発し、アラブの春の直接的な引き金になったという説があります。実際革命によって政権が転覆しました。

食料危機が革命的が原因の一つ

チュニジヤ、エジプト、リビア、イエメンといった国々は軒並み小麦の輸入依存度が50%を超えています。これは、穀物の持つ不安定性を物語っています。こうしたアラブの春を横目で見つつも多分戦々恐々としていたのが中国です。中国は、歴史的に多くの王朝が食料不足、飢饉がきっかけとした民衆の氾濫で滅亡に至った王朝が多くありました。
例えば、チンギスハンの元帝国、その後に続いた民でも食料危機が革命的な原因の一つとされています。1960年頃、毛沢東が行った大躍進政策の失敗で大量の餓死者が出ました。その数犠牲者は、2000万人以上と推定されています。
大躍進政策とは、1957年の反右派闘争で党内主導権を得た中国共産党中央委員会主席毛沢東の指導の下、1958年から1961年までの間、中華人民共和国が施行した農業と工業の大増産政策である。 ウィキペディア

中国が備蓄に力を入れている

そのためか中国は食糧の増産と備蓄には、非常に力を入れています。21世紀に入り、20年間で約2億トンの増産に成功しました。2019年時点では6億トン強の生産量を誇っています。特に、とうもろこし、小麦の輸入においては世界第2位の生産量を誇っています。しかしこの10年間、中国は輸入を進めており、経済力が上がったことで国内の穀物価格も上がりました。そのため、海外からの輸入を多くする方向に変わっています。
アフリカ豚コレラの影響で、中国の国民食である豚肉の生産が押さえつけられ価格も上がっています。中国の食肉の7割が豚肉です。生産量は、世界の豚肉の45%を占めています。
豚を飼育する上で不可欠なのが穀物です。豚の餌として使われるトウモロコシや小麦、大豆といった穀物です。特に、自給体制が整わないのが大豆です。
アメリカ、ブラジル、アルゼンチンの国々から、およそ1億トン弱も輸入しています。トンコレラの沈静化に伴って今度はブラジルからさらに輸入の増加を図っているとも言われています。14億人が「豚肉を食わせろ」と革命が起こるかもしれないと同時に、こうした大豆などの穀物も世界中から吸い上げている状況です。
この中国の警戒心は、備蓄にも表れています。実に中国は世界の穀物在庫の過半数を占めているのです。例えば世界の小麦の51.6%とうもろこしの67%、米の64.7%を中国が備蓄しています。
FAO が、適正と考える際、これらの備蓄は17から18%と言われていますので、その3倍以上という恐るべき備蓄率を誇っているのです。
国際連合食糧農業機関は、飢餓の撲滅を世界の食糧生産と分配の改善と生活向上を通して達成するのを目的とする、国際連合の専門機関の一つである。国連食糧農業機関ともいう。 ウィキペディア

中国食糧サプライチェーンの破壊

しかし万全に見える中国の食糧体制を根底から揺るがしかねない要因がサバクトビバッタ以外にもあります。一つ目が中国国内の穀倉地帯である黒龍江省等でのイナゴの大量発生です。サバクトビバッタとは別種に、6月に入り中国東北部の黒竜江省吉林省また南部の湖南省などでイナゴの大量発生が確認されています。中国一の穀倉地帯と言われる黒竜江省での蝗害の発生は中国にとってただ事ではありません。
そして2つ目ですが、アフリカのバッタ被害は中国の食料庫としての危機につながっています。一帯一路で、中国とアフリカは非常に密接な関係を結んできましたが、そこにサバクトビバッタの被害です。
中国が、戦略的に食料基地としてアフリカを捉え中長期的に多額の投資も行ってきました。バッタはこうしたところを食い荒らしています。世界中で今中国コロナ責任論が、盛り上がっていますが、中国の食糧サプライチェーンを破壊する可能性も否めません。
実際に、オーストラリアが新型コロナの発生源について独立した調査を実施したことに対し、中国が強く反発したのです。その報復としてオーストラリアの大手4社から牛肉の輸入を停止するという強硬措置に出ました。
中国の食肉の需要からすれば微々たる割合かもしれませんが、中国の責任論というのがま飛び火してアメリカや南米諸国など食料の輸出国から金融制裁を受けるという可能性もあります。
オーストラリアのモリソン首相が、「脅しに屈しない」という強い姿勢を示しています。ニュースによりますと「サイバー攻撃を受けた」とモリソン首相は、「政府機関にサイバー攻撃がなされていることに対して規模や性質から国家に基づく洗練されたものだ」と暗に中国を示唆しています。

日本の備蓄事情

最後に日本はどうすべきなのでしょうか。コロナウイルスの次なる波というのは確実に来るとされています。台風や地震そした各地の被害が頻発する可能性も高いようです。中国とインドの国境で起きた紛争など局地的な戦争の危機も高まっています。
政府は、3月の末に、2030年度まで10年間の農業基本計画を閣議決定し、食料自給率の目標を現在の37%からよ45%に据え置きました。しかし、それでも低水準です。飼料用穀物に至ってはわずか25%の状況です。
食料の自給率をは、少なくとも7割ぐらいを目指すべきなのです。また輸入の体制も非常に弱いと言われています。調達先を多角化するということでリスクの分散を図るべきです。
特に有力なのがロシアです。小麦においては、世界最大の輸出国です。ただ2018年時点では日本わずか1.8万トンしか輸入していません。
現状は、アメリカやカナダ、オーストラリアの3カ国にほとんど依存しています。今後、中国包囲を強化する意味でも、中国の背後にあるロシアとのさらなる関係強化を行い、小麦の輸入に力を入れてもいい時期ではないでしょうか。
また大豆やトウモロコシについては、ウクライナの販路を開拓するということも大切です。14億の中国が、お腹を空かせて世界の食べ物をどんどん買っている状況で日本は買い負けています。
日本は、国家戦略として、食料の自給率にしっかりと力を入れていく必要があります。

参考文献:YouTube:サバクトビバッタ、ついにアジアに大襲来!「世界の胃袋・中国」に食糧危機はくるのか?(釈量子)【言論チャンネル】


まとめ

東アフリカアラビア半島周辺で発生しているサバクトビバッタが、ついにアジアに到達。

この食糧危機は食糧がなくなるという危機だけでなく経済的に食料を確保できない、買えなくなってしまう食糧危機がある。

食料不足、飢饉がきっかけとした民衆の氾濫で滅亡に至った王朝が多くある。

中国は食糧の増産と備蓄には、非常に力を入れている。

中国一の穀倉地帯と言われる黒竜江省でイナゴの大量発生。


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